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オーデュボンの祈り

Wednesday, December 21, 2005
[novel, 伊坂幸太郎]

オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎さんの「オーデュボンの祈り」を読みました。なんとも言えない不思議な物語で、ファンタジーとはちょっと違うし、SFではもちろんないし、では何なのだろうと考えていたら、解説で「シュール」という言葉が使われていて、それがしっくりきました。とてもシュールなお話でした。

 嘘しか口にしない画家、自分の価値基準で人を殺すことを許された男、地面に寝そべって音を聞く少女、未来を知り未来を語らない案山子、それら不可思議なものを許容する、外界から閉ざされた荻島という土地。主人公である伊藤と舞台である荻島との関係は、浦島太郎と竜宮城のそれみたいでした。せかせかと時間の流れる外界と、回り道をする余裕の生まれる荻島という対比の部分が特に。

 終りまで読んでも登場人物たちの未来は変わらず不透明で、荻島の今後も不透明で、だけれども案山子の優午の言うように、先のことなんて知らない方が楽しいのかもしれません。

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